恋はたい焼き戦争


「鈴の手が出そうで…正直ヒヤッとした」

「しつこかったし…1発くらいならいいかなって…はは」

「こんなところでそんな派手なことをしたら…後々困るのは鈴なんだからな?」

「…はい。以後気を付けます…」

「よろしい」





くしゃっと私の頭を撫でる。


まーくんの手、おっきいな…


昔は、私の手の方が大きいって誇らしげに言ってたのにな。


…もう、高校生だもんね。





「もう、他のクラス回ってきていいぞ。行きたいところあるだろ?」

「あ…うん、そうだね。じゃあお言葉に甘えて…」





着替えて、教室を出る。


…でも、行きたいところ…





「鈴ちゃーーん!!」

「…!かえで君」





どこに行こうか、文化祭のしおりを見ながら考えていると前から全速力でかえで君が走ってきた。





「り、鈴ちゃんの…メイド服…見たかったのに…!」

「あ、えっと…ごめんね?」





先に私のクラスに行ったかえで君は、まーくんに私の当番の時間が終わったってことを聞いたみたい。





「お詫びに俺と一緒に回って!」

「もちろん!いいよ、一緒に回ろ!」

「やった!!」





あかりと一緒に回る約束をしていたから、回る人がいなかった。


逆にかえで君には助けてもらったよ、ありがとう…
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