恋はたい焼き戦争


「でねーその時の…って、鈴ちゃん知り合い?」

「え?」





外の自販機まで飲み物を買いに来た私たちの前に現れたのは。





「やぁ、鈴」

「…!!」





日に焼けて黒くなった肌。

茶色い髪にサングラスを乗せた、日本人ばなれした恰好。



ああ、まさかそんなはずが。





「ごめんね、かえで君…ちょっと先に行っててくれるかな」

「え…うん、わかった…」





少し離れたところに、彼を連れる。





「…海外にいたんじゃなかったの?」

「え?聞いてない?」

「何のこと?」

「11月の鈴の誕生日。
…僕たちの婚約パーティーだよ」





そう、この人は私の婚約者。
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