恋はたい焼き戦争


「今日は本当にありがとうございました」





皆を玄関で見送ってから私はまーくんと共に部屋に戻る。





「これね、ノート。
写せたら写して!授業の前に返してくれたら大丈夫だから」





そう言って今日あった授業のノート6冊を机の上に重ねる。





「ちゃんとね、先生の言ってたこともメモしといたんだよ!」





ぐっと親指を突き出して渾身のドヤ顔をするけど、まーくんは当たり前だろみたいな顔を一瞬して少し笑いながらありがとうと言った。





「それじゃあ…私は帰るけど大丈夫だよね?」

「ああ、鈴もありがとな」





既に空になったジュースの瓶とゼリーのカップを持ってひらひらと揺らす。


朝よりは全然元気になった顔。

それでもまだ目に少し力がないように見える。


きっとみんなが来てくれて凄く嬉しそうだったけどその分、疲れてもいるだろうな…





「ノート、いつでも大丈夫だから無理しないで今日は早く寝てね?」





今から夜遅くまでノートを写して明日返されるような気がしたので、もう一度念を押す。


また無理して体調崩したら元も子もないよ。





「わかってるよ、もう寝る。
学校で写してもいいしな」





そう言って布団の中に入ったのを見て私も部屋を後にし、その隣のドアから自分の家に帰った。

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