恋はたい焼き戦争
お母さんの父(祖父)は佐和田組の若頭と付き合っていると知ると激怒し、何とか別れさせようとあらゆる手を使った。
しかし、2人は別れようとせずお父さんは何度も祖父に頭を下げ、時には殴られることもあった。
それでも、何度も祖父の家に通い2人の交際を認めてもらえるよう頼み込んだ。
そうして、ある日。お父さんが同じように祖父の家を訪ねると
『もう、来なくていい。』
そう言った。
その時、周りで組の若頭が家に出入りしていると噂をされていてお母さんも白い目で見られていたという。
でもお母さんは何も気にする様子がなく、不思議に思った祖父は何故そんなに堂々としていられるのかと尋ねた。
『だって、本当のことだから。それに辰巳さんと付き合うとき、こうなることは覚悟していたわ』
それを聞いて祖父は冷静になり、
「立場なんて関係ない。娘の見込んだ男なのだから」
そう信じて交際を認め、結婚をも認めたんだって。
そして、お母さんが家を出るとき祖父はばんと一度お父さんの肩を叩き涙も見せることなく送り出したそう。