恋はたい焼き戦争


「部活行こー!」





翌日、いつものようにかえで君が私の教室まで来てくれた。





「まーくん…はまだ行けなさそうだね」





そろそろ文化祭の準備に取り掛からなければいけなくなった時期。


委員長のまーくんは決めることが多いようだ。





「メルちゃん、今日も会えないかな?」

「んーどうだろ。今まで見たことなかったからなぁ…」





今日もやっぱり話題はメルちゃん。


しょうがないよね、可愛いんだもん!





「おっ、仲直りしたのか?」





部室の扉を開けた先にいた昴は笑顔の私たちを見て第一声目にそう言う。


と、同時に隣のかえで君が威嚇モードに入ったのを感じた。





「絶対、鈴姉ちゃんは渡さないからな!」

「そうかぁ~」





対する昴は物怖じせずニヤニヤしている。





「まあでもその呼び方じゃ、弟に変わりはないよなぁ?」

「えっ…」

「鈴が弟扱いするのも無理はないってこと。だって鈴姉ちゃんって呼ばれてるんだからなあ」





そ、そういえばそうだ…


昴の言う通り。


かえで君は、思ってもみなかったことを言われたからか少し動きが止まってしまった。

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