恋はたい焼き戦争
そしてすぐにかえで君のキラキラした目が向けられる。
「私はかえで君が良いなら何て呼んでくれても構わないよ?」
「り、り……り、ん…鈴……ちゃん」
呼び捨てには出来なかったみたいだけど、でも必死に呼んでくれることに嬉しく感じた。
「鈴…ちゃん」
「ふふ、はい」
確かめるように何度も口にする。
「俺を忘れられると困るんだけど…」
かえで君は気付いてないみたいだったけど、後ろで昴が悲しそうな顔をしていた。
何気に…かえで君のこと気に入ってるのかな…?
「何か…レベルアップした気分!
今度の大会も上手くやれそう!」
かえで君の目がより一層輝く。
そう。
ずっと準備してきた演劇部の大会がもうすぐそこまできていた。