恋はたい焼き戦争
「私に比べたら、かえで君も昴もすっごい上手なんだから自信持って!」
「なあ慎之介…鈴そんなにやばかったのか?」
「…昴。俺が嘘をつくとでも思ってるのか?
察せ」
昴の肩に手を置く向川部長。
多分、私を気遣っての言葉だと思うけど…
それはそれで逆に傷付くんですけど。
まーくんみたいにさらっと言ってくれた方が楽なんですけど…
「…なんか緊張がほぐれてきた」
「俺も!」
私の羞恥心と多少の傷を引き換えに、昴とかえで君は落ち着いたようだった。
きっと、この調子なら…
「よし、じゃあ円陣組むぞ!」
「おー!」
そうして私たちは舞台の上へと向かった。