Drinking Dance
えっ、いいんですか?

「でも私、結構厳しかったんじゃ…」

「直子さんは僕の指導係ですから」

星崎さんは照れくさそうに言うと眼鏡をずりあげた。

「あっ…今、言えましたよ。

私の名前、自然にスッと言えましたよ」

「えっ、ホントですか?」

星崎さんは信じられないと言った様子で口に手を当てた。

「稔さん、それですよ。

そんな感じで石原さんのことを…」

チクリと、自分の胸が痛くなったことに気づいた。

星崎さんの彼女の名前を言っただけなのに、何で胸が痛くなったんだろう?
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