Drinking Dance
チラリと彼に視線を向けると、耳まで赤くなっていた。

本当に、今の今までこう言うことがなかったのだと言うことを改めて知った。

それどころか、今の今まで母親以外の女性と関わったことがなかったのだと言うことも同時に知った。

こう言っては失礼だけど、石原さんは星崎さんのどこを好きになってつきあおうと思ったのだろう?

まあ、容姿も性格もその他諸々も特に申し分はないと思っている。

だけど手を繋いで歩くことはおろか、手を繋ぐことすらも戸惑っているような人である。

本当に、何で石原さんは星崎さんのことを好きになったのだろう?

「私の方が稔さんのことをよく知ってるのに…」

つい、思ったことが口からこぼれ落ちた。

「えっ?」

星崎さんが驚いたと言うように私の顔を見た。
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