Drinking Dance
仲のいい友達、か…。

確かに私たちの関係はそんな風に、それも簡単に言えてしまう関係なのかも知れない。

「そうですね…」

それに対し、私は笑って返事をすることしかできなかった。

そうだよね。

そう言うことだよね。

星崎さんは私のことを部下、よくても友達にしか思ってくれていないんだ。

半ば強引に繋いだこの手が虚しくて、だけど離したくないと思っている自分がいた。

「いいですね、こうして手を繋ぐのって」

星崎さんが話しかけてきた。

「えっ…ああ、いいでしょう?」

私は言った。
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