Drinking Dance
抱きしめたことに伝わってきた星崎さんの体温に、胸がドキッ…と鳴った。

へえ、こんなにも温かいんだ。

この間は意識を保つことと気を失わないようにすることが精いっぱいで、彼の体温がこんなにも温かいことに気づくことができなかった。

香水?

…いや、星崎さんは香水なんてつけなかったな。

柔軟剤の香りか何かだろうか?

星崎さんの躰からはとてもいい香りがして、いつまでも嗅いでいられるような気がした。

そっと星崎さんの背中に両手を回したら、彼も私の背中に自分の両手を回してくれた。

それだけのことなのに、心臓がドキドキと早鐘を打ち始めた。

同時に、自分の中に隠していた気持ちに気づいてしまった。

――私は星崎さんのことが好きだ、と。
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