Drinking Dance
目を開けたら、当たり前だけど目の前に星崎さんがいた。

ううっ、本当にするんですね…。

心臓がドキドキと鳴り始めて、早くも倒れてしまいそうだ。

もう早く終わってよー。

そう思っていたら、少しずつ距離を縮めるように星崎さんの顔が近づいてきた。

き、きた…。

手をギュッと強く握りしめて、星崎さんの顔を見つめた。

眼鏡越しの星崎さんの瞳がゆっくりと閉じられて行く。

私と星崎さんの距離はもう少し、後少し…。

その距離がゼロになったその瞬間、私の唇に星崎さんの唇が重なっていた。

ガチン!

「――痛い!」

口の中で感じた衝撃に、私は悲鳴をあげた。
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