Drinking Dance
「稔さん、大丈夫ですか?

続けられそうですか?」

私は聞いた。

「な、何とか…」

星崎さんは答えると、私と向きあった。

「今度は私がお手本を見せますから」

私は星崎さんを見つめると、彼の目の高さにあわせるために背伸びをした。

「目線を下げましょうか?」

「い、いえ、これくらい…」

つま先で立っているせいで足元がヨロヨロとおぼつかないが、これくらいは何のそのである。

先ほどの星崎さんのマネをするように、私も彼の肩に自分の両手を置いた。

よし、これで少しはヨロヨロが解消されたぞ…。

星崎さんと見つめあうと、彼との距離を縮めるためにゆっくりと近づいた。
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