恋のシャッター
「どうぞ、上がって下さい」
私は三人にスリッパを出した。
「お~久々だなぁ―俺」
「あ~やっぱり圭介は来たことあるんだ?いいなぁ~あっ、勇斗~!」
楽しそうに話しながら、聖花先輩と圭介先輩は勇斗のいるリビングに入って行った。
二人を横目に立っていると、南先輩が口を開いた。
「…本当にお隣だったんだな?」
「えっ?あ―…はい」
「はいっ、俺はピザ買ってきた」
「あっ…ありがとうございます」
南先輩からピザを受け取り、私達もリビングに入った。
私と聖花先輩は、聖花先輩が作ってきたケーキを台所で準備していた。
「聖花先輩さすがですね~手作りケーキなんて、私は…無理かもっ」
「そんな事ないわよ、それより実夕ちゃん……今日は本当にありがとう」
「えっ…?」
「本当に嬉しいの、勇斗とクリスマスが過ごせて…」
「聖花先輩……」
本当に勇斗と過ごしたかったんだな……聖花先輩ってめちゃくちゃな所もあるけど、ただ一途な人なのかも。