恋のシャッター
コイツは……
やっぱりアホかっ?
私は呆れたように、冷たい視線を勇斗に送る。
「あのね~あんたと一緒にしないでよっ、だいたいこんなところで不謹慎なっ」
「おいおい、どういう意味だそれ?まるで俺がそんな事しか頭にないみたいな言い方やめてくれる~?」
「いいじゃないそんな事、面倒くさいわねあんたはっ、いいから早く手合わせなさいよっ」
「おまえ、ひっで~」
勇斗は私を少し睨み返すと、拓真のお墓の前に立ちそっと手を合わせた。
そんな光景が何だか…… 私には少し切なく映った。
当たり前のようにいたはずの幼なじみ三人が……今は一人いないこと。
改めて実感してしまった。
すると、手を合わせ終えた勇斗がお墓に向いたまま口を開いた。
「…なぁ?おまえは拓真のどこが好きだったわけ?」
「えっ?……なっ…何よ急に?」