恋のシャッター


コイツは……
やっぱりアホかっ?



私は呆れたように、冷たい視線を勇斗に送る。



「あのね~あんたと一緒にしないでよっ、だいたいこんなところで不謹慎なっ」



「おいおい、どういう意味だそれ?まるで俺がそんな事しか頭にないみたいな言い方やめてくれる~?」



「いいじゃないそんな事、面倒くさいわねあんたはっ、いいから早く手合わせなさいよっ」



「おまえ、ひっで~」



勇斗は私を少し睨み返すと、拓真のお墓の前に立ちそっと手を合わせた。



そんな光景が何だか…… 私には少し切なく映った。



当たり前のようにいたはずの幼なじみ三人が……今は一人いないこと。



改めて実感してしまった。



すると、手を合わせ終えた勇斗がお墓に向いたまま口を開いた。



「…なぁ?おまえは拓真のどこが好きだったわけ?」



「えっ?……なっ…何よ急に?」




< 118 / 251 >

この作品をシェア

pagetop