恋のシャッター
「いいじゃん、誕生日プレゼントだよ、聞かせてやれよ?拓真に…」
「誕生日プレゼントって…」
勇斗の言葉に、私は拓真のお墓を見た。
「そんなの……いっぱいあるわよ」
「例えば?」
「……優しいところ、笑顔がかわいいところ…賢くて、バスケが上手くて…」
「お~いっぱい出てくるなぁ」
「…そりゃ」
「おまえ、やっぱり拓真みたいなタイプが好きなわけ?」
「…えっ!?」
「なかなかいないよなぁ~あんな完璧なヤツはっ」
勇斗の言葉に私は少し黙ってから口を開いた。
「私は……拓真みたいなタイプが好きだったんじゃなくて、拓真が…好きだったのよ」
私の答えに勇斗は私をチラッと見た後、拓真のお墓を見ていた。
「……そろそろ…帰るか?冷えてきたな」
「うん…」
そして私達は拓真の墓地を後にした。