恋のシャッター


電車に乗り込むと、私は勇斗の斜め向かいの席に座った。



すると景色を眺めていた勇斗が唐突な事を聞いてくる。



「なぁ?俺の良い所ってどこだろうな?」



「ありません!」



「即答かよっ!?」



「うるさいわね―」



「あ~ぁ、うちの学校の女子に聞いたら一つぐらい返ってくるだろうになぁ~」



「あっそ?だったらその子達に誉めてもらえば?」



「でもなぁ~それはそれでダメな気もするなぁ、たまには叱られないとなぁ~」



「別に私は叱ってないわよっ」



「やべぇ~俺ってMっ気あるのかも?」



「だから知らないって」



「まぁ、おまえは間違いなくSだな」



「はっ!?何でよ」



「拓真いつも振り回されてたじゃん」



「そんなことっ……ないわよ…」



…私振り回してた?



確かに…拓真と一緒にいたくて、よくあっち行こうこっち行こう~とかは言ってたけど…。




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