恋のシャッター
携帯のライトを照らしながら入ってきたのは。
「マジで停電かよ~おーい実夕?」
「…勇斗…?」
私の声のする方に、勇斗は携帯のライトを照らす。
「おっ、いたいた、生きてるかぁ―?」
「バカ!生きてるわよっ」
「んだよ、せっかく心配したのによ~?」
「……えっ?」
「つーかおまえ携帯か懐中電灯は?」
「懐中電灯はわかんなくて、携帯は二階に置いたままで…」
「相変わらずだな~しっかりしろよ―」
「うっさいわね―…」
「いーから取りに行くぞ?」
「…あっ…うん」
コイツ……何だかんだ心配してくれてる?
やっぱり、よく分かんない。
そして勇斗が足元を照らしながら二人で二階に上がり、私は自分の部屋から携帯を取った。
「よし、とりあえず下にいた方がいいな?」
「うん…」