恋のシャッター


「なーんつってな!冗談だよ~いや~少し膝すりむいたけど~……?」



笑いながら言う勇斗が、私の異変に気づいて止まった…。



「…実夕…?」



「………バカ…」



「……何で泣いてんだよ?」



「バカ!!」



そう言って私はドンッ!と勇斗の肩をどついた。



自分でも分からずに…なぜか泣きながら怒っていた。



「……バカ…」



「……悪かったよ、でも泣くことないだろ?」



「だって……拓真は倒れた後、もう病院からは出て来なかったじゃないっ」



「…そうだけど、こんなんで死なないだろ?」



…何で私、泣いてんだろ?



「それでもっ!もし…もし…勇斗までいなくなったら私……一人ぼっちになるじゃないっ」



…何で、こんな事言って…?



「……えっ?」



私の言葉に、勇斗は驚いていた。




< 132 / 251 >

この作品をシェア

pagetop