恋のシャッター
「…ありがとうございます」
隣を歩く南先輩は、私の歩幅に自然と合わせてくれてるみたいだった。
男の人と二人で帰るのなんて、小学校以来ないかも。
どうしよう……少し緊張する。
「そういえば、こないだ停電あっただろ?」
「えっ?あ―…はい」
「俺、あの日家帰ったら一人でさ、懐中電灯の場所分からなくて携帯で照らしてたんだけど、階段でつまづいて膝すりむいたんだよな~」
「へっ?へぇ~……そうだったんですか…」
勇斗と同じ人がここにいた……ははっ。
「そしたらさ、次の日勇斗も膝すりむいててさ、聞いたら同じく停電で足踏み外したって言ってて」
「へぇ~……ドジですねアイツ」
…知ってるけどね。
「だよな?っていうか、俺もか…」
南先輩はそう言うと、少し照れながら頭をかいていた。