恋のシャッター


カシャッ!!



私は…その瞬間、思わずシャッターを押してしまった。



今の…良かったな、試合をしていて、バスケをしていて、楽しい瞬間が映った気がする…。



うんっ、我ながらいいショットを撮ったかも。



……って、待てよ?



ヤバイって――!



絶対に勇斗がメインで映ってるよ!!



まさか……自分の中で
これっ!と思ってシャッターを押したのが、こんなショットなんて……。



「はぁ―…」



カメラを降ろし、私がため息をついたその時。



「ピーッ!前半戦終了―!」



「えっ?もう前半終わり?」



私が顔を上げると、部員はそれぞれ休憩に入る。



……とにかく、写真部に行って現像させてもらおう。



そうして私は後半戦を見ずに体育館を後にした。



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