恋のシャッター
南先輩にそう言われて、私がうつむいてると、先輩は私の顔を少し覗いて言ってきた。
「……いいよ、どれ?」
「……はい」
私は一つの写真を手に取り、先輩に渡した。
「私は…これかと……」
「うん、これか…」
南先輩は少しの間、写真を眺めて、そして…。
「俺も…これがいいと思うよ?」
「えっ?でも…もし、南先輩が他に気に入ったのあったらそれでも……」
「何で?」
「えっ……何でって」
私は南先輩に渡した写真を見た。
「もしかして、勇斗にピントが合ってるから?」
「えっ…?」
南先輩は少し ふっ…と笑って言ってきた。
「高菜、俺に意地でも違うのにしてもらおうとしてるだろ?」
「あっ…」
「俺は高菜に頼んだんだから、高菜が一番いいと思ったものを載せたいんだ、だから…これでいいんだ」