恋のシャッター


「……はい」



「よし、それにこれすごくよく撮れてるな、勇斗のヤツすごくいい笑顔してるし」



「……そうですね」



写真の中の勇斗は、南先輩と笑顔でハイタッチをしていた。



笑顔の勇斗の写真……。



幼少期のを見ても、あんまり私は持ってないかもしれない。



「勇斗って昔からこんな笑うタイプだったのか?」



「えっ?それは……私もよく分からないですけど、勇斗が一番笑顔を見せていたのは、拓真といる時なんです……」



「……そうなのか?」



「はい……二人は本当に仲が良かったんです」



「そっか、勇斗も……辛いんだな?きっとアイツの事だから高菜にも圭介にも辛い気持ち話してなかったのかもしれないな…」



「……そうかもしれません、拓真が亡くなった時勇斗が泣いてる所を初めて見ました、でもそれ以来、勇斗が泣いてる所を私は見ていません…」



「そんな感じだな…」



南先輩はそう言うと、写真を眺めていた。




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