恋のシャッター
「拓真?…何探してるの?」
「うーん…実夕にちょっと渡したい物があるんだ…」
「渡したい物?」
「あっ!あった―」
そう言うと拓真は、手に紙の様な物を持ち、引き出しを閉まった。
「これ、実夕にお願いしたいんだ」
「えっ…?」
拓真から受け取ったのは…。
「……短冊?」
「うんっ」
「……何で?七夕はまだまだだよ?」
「そうなんだけどね、俺七夕まで元気になれるか分からないし、実夕に来年の短冊に、実夕のお願いと一緒に飾っておいてほしいんだ…」
「何言ってんの?拓真…七夕までには元気になってるよっ」
「うん、だから俺が元気だったらちゃんと自分で飾るから、それまで実夕が預かってて?」
「うーん…そういう事なら」
「うんっ、良かった」
拓真はまた笑った。
私はこの笑顔が好きだ。