恋のシャッター


そして、



その次の年の七夕を、拓真と一緒に飾る事は出来なかった。



七夕に拓真の短冊を、私は約束通りに飾った。



でも。



私の願い事は……。



たった一つだけだった。



“もう一度……
拓真に会いたい”



そんな願い事が叶わない事……その頃



私はもう気づいていた。



でも書かずにはいられなかった。



……ふとその時。



勇斗の短冊が目に入った。



勇斗の願い事を見て……私は目が潤んだ。



“拓真と遊びたい

“拓真とバスケがしたい

“拓真に会いたい……”



その年、



私達は同じ願い事を祈った。



そして―。



季節はまた巡る。




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