恋のシャッター
「……バカやろ、何が言いたいんだよ?」
「だから…もういいだろ?」
「何が?」
「…気持ちにブレーキかけるクセやめろよ?」
「……っ!」
「おまえは拓真の事が気になって、ずっとブレーキをかけてるだろ?でも最近は何があったか知らないけど……気持ちが走り出しそうになってるくせにまたブレーキをかけてる」
「……ふーん?」
真剣な圭介の言葉にも、勇斗は気のない素振りをしている。
それでも圭介は話し続けた。
「実夕ちゃんが好きだった拓真、拓真が好きだった実夕ちゃん、そして……おまえは実夕ちゃんの事を好きだと、後から気づいたんだ」
「………。」
「何か間違ってるか?」
圭介の言葉に、勇斗は夕空を見上げながら口を開いた。
「……間違ってるさ」
「えっ……おまえっ」