恋のシャッター
ウソ
6月。
雨が多くなったこの頃。
放課後の校舎の中、ニ年の教室。
「じゃあね実夕、私デートだから~」
「あ~そうだったね?気をつけてね菜々っ」
デートに行く菜々に手を振ると、私も帰り支度をする。
すると、
「実夕っ」
「えっ?」
廊下に出たはずの菜々に入り口から呼ばれる。
「んっ!んっ!」
菜々は廊下にいる誰かを指差している。
「……ん?」
とりあえず私はカバンを持って廊下に出た。
すると廊下にいたのは…。
「あっ…聖花先輩?」
「やっほ、実夕ちゃん」
「ど…どうも」
「良かったら一緒に体育館まで歩いてくれない?」
「あっ……はい」
聖花先輩なんだかすごく機嫌が良さそう…。
どうしたんだろ?