恋のシャッター
「聖花先輩……」
「だからね?だから私……」
聖花先輩は少し唇を噛み締めた後、私を見てきた。
「決めたのっ……告白するって」
「えっ…?告白……」
「うん、決めたんだぁ」
告白……。
聖花先輩が……勇斗に。
「ゴメンね…?ウソついて」
「えっ?あっ……」
「でも……おあいこだよね?」
「……おあいこ」
「それだけ言いたかったんだぁ~」
気がつくと、私達はもう体育館の前に着いていた。
「じゃあね?実夕ちゃん」
「…はい」
すると聖花先輩は、あの可愛い笑顔を浮かべて私に手を振り、体育館へ入って行った。
けど私の胸はドクドクと鳴っていた。
止められない…。
ずっと一途に勇斗を想ってきた聖花先輩の告白を止める権利なんて……私にはない。