恋のシャッター
花火と…アイツ
そして夏。
当たり前のようにまた季節は巡る。
拓真と見た、あの夏の日の花火以来……。
私は花火を見ていない。
今でも思い出す、
儚げに映る…咲いては 消える、うたかた花火。
その隣に、拓真の横顔。
今でも思い出す、
その横顔を見て、頬を染めてた自分のこと…。
拓真がいなくなってから、花火を見なくなったのは、
何となく、綺麗なのに…消えて無くなるのがイヤだったから。
いつの間にか…避けてしまっていた。
それでも、
今年は……今年の夏は少し見てみたい気がしてた。
なんでかは分からないけど。
「……だからって、一人で行くのはなぁ…」
カレンダーを眺めながら私は一人呟く。
8月1日。
午後8:00〜。