恋のシャッター


「はぁ―……やっぱり無理か…」



「何が?」



「はっ!?勇斗っ?」



背後からの声に振り向くと、勇斗が髪を拭きながら立っていた。



「ちょっと~!何であんたがいるのよっ!…っていうか、何で髪の毛濡れてるのよっ!?」



「あ~腹減って何か食いに来たんだけど、暑くなってシャワー借りてたっ」



「はぁ―!?わけ分かんないんだけどっ」



見ると、勇斗の髪はまだ少し濡れている。



そんな姿に……私は少し ドキッとしてしまう。



「あ…あんたはどんだけ図々しいのよっ」



「まぁ~いーじゃん?…で?何が“無理か”って?」



「……別にっ」



「ふーん?」



勇斗はそれだけ言うと、また髪の毛をタオルでくしゃくしゃとする。



……そういえば。



コイツ、ニ度も私の事抱き締めたくせに……本当にいつも通りだ。



何か、振り回されてる気がしてムカついてきた…!



ちょっと……意地悪してみようかな?




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