恋のシャッター
「なにが…ちょうどいいのよ?」
「いいから…行くぞ?いいな?」
勇斗は少し真剣な眼差しで私にそう言ってくる。
どうして?
どうして、そんな顔で…
そんな事言ってくるの…?
胸の奥が痛い。
バカ勇斗。
あんたの事なんて、
あんたの事なんて…
もう……嫌いだなんて
思えなくなったじゃない。
ーー。
そして、花火大会前日の日の夜。
部屋にいた私の携帯が鳴って着信相手を見ると。
勇斗から…?
「…もしもし?」
「おっす、窓開けろよ」
「えっ?窓?」
勇斗にそう言われて、私は携帯を持ったままカーテンを開けて窓を開けると、真向かいの部屋から勇斗が顔を出していた。
声の届く距離に、私達は自然と携帯を切った。
「明日、待ち合わせにするからっ」
「えっ?何でよ?」