恋のシャッター
二人で遊んだ帰り道、ふいに拓真が私に言ってきた。
「ねぇ実夕、俺と実夕はずっと一緒だよね?」
「うんっ、ずっと一緒だよ!」
手をつないで笑顔のまま私達は家に帰る。
本当に…ずっと一緒にいたかったな。
でも拓真はいない…。
私はもう…あの頃みたいに子供じゃない、心も体も成長したつもり。
「恋愛出来ないのは拓真のせいじゃないよ?本当に本当に好きな人が出来ないんだ」
あの日と同じ夕日が差し込む部屋で、私は写真の中の拓真に向かってボソッとつぶやいた。