恋のシャッター


すると誰もいないはずの日曜の夕方に、下から声が聞こえてきた。



「おーい、実夕~」



「えっ…!?」



この無神経な声は…。



「いるんだろ~?降りてこいよ―」



勇斗の声に私は部屋を出て下に降りる。



「ちょっとちょっと―!何であんた勝手に入って来てるのよっ」



「ほれっ」



勇斗の指からぶらさがってるのは家の鍵だ。



「おばさんに誰もいない時も食べに来ていいわよって言われたから一個預かってるんだよ~」



「…うっそ―」



お母さんったらどんだけコイツに心許してんのっ?



「し…信じらんない」



ガクっと私は肩を落とした。



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