恋のシャッター
明日は休みだし、ヒマって言ったらヒマだけど…。
「はぁ―…」
私は仕方なく上着を羽織って玄関に出た。すると、勇斗がちょうど家から出てきた。
「おしっ、じゃあ行こうぜ?」
「……ちょっとだけだからね?」
「あいよっ」
そうして私達は、ゴールのある公園に向かって歩きだした。
公園に行く途中、拓真が暮らしていたアパートの前を通る。
拓真のご両親は拓真の死後、転勤の話が来て引っ越して行ってしまった。
アパートからよく拓真が手を振っていた姿は、今でも思い出す。
アパートを見ながら私はそんな事を思い出していた。