恋のシャッター
「よしっ、もう少しだ」
あと数枚の写真を手に持って私が作業を続けようとすると、部室のドアが開く音がした。
「……えっ?」
「あっ……南先輩、すみません…ちょっとこないだの写真貼ってて…」
「あ―……なるほど、ビックリした」
「すみません、でももう終わりです」
「そっか、ありがとな」
南先輩はそう言って、写真の貼ってあるボードを眺め始めた。
「………。」
自分が撮った写真見られるのが、何だか恥ずかしくなった私は、部室を出て行こうとした。
「じゃあ…私はこれで…」
「……なぁ?」
「……はい」
「…これ…」
「えっ?」
私は南先輩が指差す写真を見た。
「…あっ…」
それは試合中思わずシャッターを切った、南先輩のシュートシーンの写真だった。
ヤバイ私…三年生のじゃないのに貼っちゃった。
っていうか、南先輩本人に見られてるのが恥ずかしいっ。