恋のシャッター


「よしっ、もう少しだ」



あと数枚の写真を手に持って私が作業を続けようとすると、部室のドアが開く音がした。



「……えっ?」



「あっ……南先輩、すみません…ちょっとこないだの写真貼ってて…」



「あ―……なるほど、ビックリした」



「すみません、でももう終わりです」



「そっか、ありがとな」



南先輩はそう言って、写真の貼ってあるボードを眺め始めた。



「………。」



自分が撮った写真見られるのが、何だか恥ずかしくなった私は、部室を出て行こうとした。



「じゃあ…私はこれで…」



「……なぁ?」



「……はい」



「…これ…」



「えっ?」



私は南先輩が指差す写真を見た。



「…あっ…」



それは試合中思わずシャッターを切った、南先輩のシュートシーンの写真だった。



ヤバイ私…三年生のじゃないのに貼っちゃった。



っていうか、南先輩本人に見られてるのが恥ずかしいっ。




< 96 / 251 >

この作品をシェア

pagetop