Blue jasmine
Fly.
episode1
*prolog 1
─────夏。八月十五日、午後一四時三三分。
屋上にて、俺は自殺を試みようと思っていた。
後悔はない。
死ぬことも、恐くない
むしろ、
俺の無くなっていたはずの心が少し動きだして、興味が掻き立てられた気がした。
どうせ自殺するなら、空を飛びたいと思っていた。
最期に重力を、感じてみたかった。
6時間目の授業中、頭が痛いと嘘をついた。
前にも何度か授業をサボりたくて保健室に行ったことはあるけど、
今日は死ぬために授業を抜ける。
先生は俺の嘘を見抜けぬまま教室から出してくれる。
まさか先生も、俺が死ぬなんて思ってないだろうなぁ、なんてぼんやり考えながら教室を出た。