元カノがめんどくさい
すると清松さんは困った顔で、少しうつむいて黙り込んだ。


いやそんな反応されたら…

行くしかないよね!?


と、それを言い訳に…
願ってもない状況に乗っかる事に。


「じゃあ、僕の行きたい店でもいいですか?」


とたん彼女の表情が明るく色づいて。

「はいっ、もちろんですっ」と、
咲いた笑顔の周りには花まで見えるよう。


ああ、ほんとに天使だ。
癒される…




そんな天使を…

こんな普通の定食屋に連れて来ていいんだろうか。


とはいえ、なるべく安上がりで済むようにここをチョイスしたワケで。

しかも…

「ここ、すっごく美味しんですよっ?」


「そうなんですかっ?
なんだか私まで楽しみですっ。
あっ、オススメとか教えてもらっていいですか?」


ああ、なんて健気で愛らしい反応!



そのうえ。

オススメしたものに、「美味し〜いっ」って笑顔を溢れさせて喜ぶ姿は…

殺人級に可愛いらしくて!


ここに連れて来た僕の不安や立場も報われる。


< 28 / 114 >

この作品をシェア

pagetop