元カノがめんどくさい
「蓮斗さんは…
ほんとに優しい人ですね」


「別に普通だよ。

それに…」


ー「どんなにカッコよくても優しくても…
他の女の子を優先するような人、嫌だよ!」ー


「…

そんなもん、なんのプラスにもならないよ…」


それは優先して来た元カノに対しても。



「そんな事ありませんっ!
私はっ、その優しさに救われました!

今だって、いつだって、救われてますっ…!」


「っ…

大げさだよっ」


「大げさなんかじゃ、ありませんっ…

だから私も…


蓮斗さんを救いたいです」



いっそ救ってくれたら…
そう思ってた僕の心を。

天使が優しくすくい上げる。



「何があったんですか?

今日の蓮斗さん、すごく辛そうでした…
元気がないのは、二日酔いの所為だけじゃないですよね…?」

見つめる僕に、柔らかな声がそう続く。



普通にしてたつもりなのに…
気付いてくれたんだ。


一連の、天使の言葉は…
胸を叩いて、心をジワリと溶かしてく。


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