元カノがめんどくさい
と思いきや、突然。


「こらぁ!し、しっかりしろぉっ!
おまえの限界はっ、こんなものじゃないだろうっ?

げっ、元気だせぇっ!
っ、私が…

私がいますっ!」


可憐な天使、らしからぬ。
思いがけない言動に…

若干あっけに取られたものの。


顔を真っ赤にして、プルプルしながら訴えてる姿は…

例えようもないくらい愛らしくて!


今度はそれが、慈愛の笑みに変化する。



「…何も求めません。
なんだったら、利用してくれて構いません。
だから…

恋人として、蓮斗さんを支えさせてもらえませんか?」



ズルいよ、奈々ちゃん。

なんだか弱ってる時に、キミみたいなコから手を差し伸べられたら…


その手を引き寄せたくなる。


不可抗力に僕は、その天使を抱きしめた。




ズルいのは僕だ。


だけどさ。
甘えだけじゃなく、紛らわしだけじゃなく…

そんな奈々ちゃんを守りたいと思ったんだ。



「…僕も恋人として、奈々ちゃんを守らせてもらえるかな」





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