元カノがめんどくさい
ふう、と困惑の息をもらすと…
とりあえずその場に座って、寝顔を眺めた。



ー「肝心な時だと、嫌でも断れないじゃん?」ー


まったくキミは…
変なトコでいじらしいんだから。



あ、手が勝手に…

思わず頭を撫でてしまった!


しかもなんだか止められないっ…

いや、どんな引力!?



「ん…、んんっ…」

そこで本庄さんが、目覚めた気配。


とっさに僕は、熱いものでも触ったかのようにその手を跳ね除けた。


「お、おはよっ、雑炊出来てるよっ?」

いや、夜だけどね…
焦った自分に自らつっこむ。



「…おそーい。

いただきまぁす…」

と、鼻水をズビズビすすりながら…

病気のせいか寝ぼけてるのか、いまいちローテンションで雑炊を口にする。


あったかいそれは、ますます鼻水を誘ってて…

見てるこっちがやきもきする。



「はい、鼻かんでっ?」

すすったタイミングを狙って。
片手で後頭部を支えて、もう片手で鼻にティッシュを当てると…


< 56 / 114 >

この作品をシェア

pagetop