元カノがめんどくさい
僕は完全に、ノックアウトをくらう。



その言葉が意図するように、本庄さんが僕の前で"のびのびと楽しそうにしてる"なら…

当然不安でたまらないはずなのに。


嬉しいだなんて、仲良くしてだなんて…

それが余裕からくるものじゃないのは、愛しそうな笑顔が物語ってて。


彼女の気持ちを1番に想う、なんて愛情深い人なんだろう…


そんな彼が、キミの選んだ運命の人。



寂しさとか不安で浮気したような僕とは…

遥さんと楽しそうに話してたキミに、そんな権利もない立場で拗ねてた僕とは…

今日だって自分の痛手ばっかに振り回されてる僕とは…

なんかもう世界が違いすぎて。


まさしく論外で、張り合うどころか足下にも及ばない。


ここまで相手ならないと、もはや清々しくて。
このモヤモヤした何かも吹き飛んでくよ…


だから。

遥さんならキミを任せてもいい気がした。
なんて、上から目線で申し訳ないけど。



「はいっ。
遥さんも、本庄さんの事…」

お願いします、と続けるつもりが…

僕が言うのは違う気もしたし、言いたくはなくて。


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