劇団「自作自演」
跡形もなく、私たちの「自作自演」の結晶、改革への狼煙が消えている。
黒板はその名の通り、黒く私と敦くん2人を嘲笑うかのように、緑色にツヤを放っている。
敦くんのシュートした机も、何事も無かったかのように、定位置。
敦くんは……!?
ロッカーへと視線を向けた。
口がポカンと開いていて、マヌケ。目が、目が完全に動揺していた。
学校指定のカバンが床にずり落ちていて、それを拾うこともせず、ただ、ロッカーの前で立ちすくんでいる。
「……何が起こったんだ?」
敦くんが呟いた。心の奥底に眠っていたものが、この絢爛豪華なクラス、相も変わらぬステンドグラスを前に。
あの冷静且つ頭のキレる敦くんが、取り乱し、取り乱し、心をさらけ出してしまっている。