劇団「自作自演」





私ももちろん、敦くんと同じ気持ちだった。



あそこまで派手にやったのに、それが跡形もなく、消えてしまっている。



思わず友達の「おはよう!」を交わして、黒板に近づいた。



筆跡が残っているかもしれない。



あれだけ力強く、大きく、派手に書いたのだ。



このクラスに負けないくらい絢爛豪華に、ワルツを踊るように、優雅に。



しかし、残っていない。



それどころか、いつにも増して、綺麗になっている。




< 104 / 307 >

この作品をシェア

pagetop