劇団「自作自演」
私ももちろん、敦くんと同じ気持ちだった。
あそこまで派手にやったのに、それが跡形もなく、消えてしまっている。
思わず友達の「おはよう!」を交わして、黒板に近づいた。
筆跡が残っているかもしれない。
あれだけ力強く、大きく、派手に書いたのだ。
このクラスに負けないくらい絢爛豪華に、ワルツを踊るように、優雅に。
しかし、残っていない。
それどころか、いつにも増して、綺麗になっている。