劇団「自作自演」
「逆転のキスを。」
「どうして……青山くんが?」
両手を空に仰いでいる青山くんは、私を一瞥し、それからまた空を見上げた。
「……太陽が眩しかったから。」
「今、『異邦人』は関係ねーだろ!」
敦くんは、青山くんの胸倉を掴んだ。しかし、青山くんは一切動じない。
「親友。キミは時々、感情的になる。キミの悪い癖だ。しかし、恥じることはない。人間誰しも何かしら欠けているものがある。満ち足りた月、満月のような人間は存在しないんだ。」
青山くんは、回し蹴りで敦くんを突き飛ばした。
「……キミは恥じることはないんだ。」
そして、笑った。