劇団「自作自演」





青山くんが劇団に入ることになり、始業のチャイムが鳴った。



それぞれ時間差で屋上を出ることになったのだが、その前に青山くんがある提案というか、指摘をしてきた。



「キミたちの会議は、リスクが高すぎる。屋上は『立ち入り禁止』こそなっているものの、出入りは暗黙の了解で自由だ。」



「生徒会長さんも公認せざるを得ないってわけか?」



敦くんが嘲笑うかのように言った。青山くんは「『元』だ。」と訂正する。



「もちろん、見かけると注意はする。ただ、この学校のバカみたいな言い伝えというか、バカみたいなジンクスのせいで、告白の場所としてよく使われることもあって、それを完全に禁止することは、生徒会長としてもなかなか難しいものがあった。」



「バカみたいは言い過ぎじゃない? 現に、それで成就してる人、結構いるんだよ?」



私はそう指摘したが、青山くんは、訂正しなかった。




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