劇団「自作自演」
事態が呑み込めない。
さっきいた教室よりも息苦しい……いや、違うな。
急に声をかけられたこと、急に頭上から紙くずが降って来たこと、そして、ケルアックの小説の青年を思わせるような言葉が、私に向かって発せられたこと。
以上のことに動揺してしまっていて、声が出ないのだ。
「学校の屋上は告白をするだけの場所じゃないこと。お前は知ってるか?」
しゃがれた声は、尚も私を動揺させる。
しかし、この動揺を何とか悟られないように、平静を装った。
「自殺でも使われるんじゃないかな?」
「ははっ。違いねえ。」
男子はより一層笑みを深めた。