劇団「自作自演」





「でも何もお前を自殺に見せかけて殺そうとか、そういうことを考えているわけじゃない。そのノートの切れ端に書かれたことに興味がある。いわば、オレはお前のファンってわけさ。」



男子が指し示した紙くずを私は、拾い上げ、広げた。



間違いなくそれは、古典の授業で書いた私の「理想的な」クラスの箇条書きのルーズリーフだった。



ここで、おおよそのことは把握できた。



「キミは知ってるんだね。学校の屋上は告白や自殺以外でも使い道があるってことを。」



「そりゃそうさ。」男子は何をおかしなことをといった風なイントネーションで言った。



「そうじゃなきゃ、オレがお前を屋上に招待すると思うか?」



「招待状にしては随分粗末ね。」



「生憎、オレは封筒なんて洒落たものは持ち合わせていないし、アイロンを使ってシワを伸ばす暇もなかったもんでね。」



私は、ルーズリーフを再び紙くずにして、ブレザーの右ポケットに仕舞い込んだ。



「いいよ。どうせ帰宅部はいつでも暇だし。」




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