劇団「自作自演」
「それで、ブラックボード作戦と言ったかな? これは前回と同じ作戦でいいんだね?」
「そう。テメェが屋上にある盗聴器で聞いた通りだ。香澄さんが教卓に隠れ、オレたちは屋上で待機する。そりゃ元生徒会長様の権限で居残りできるのが一番だけどな。もう引き継ぎも終わってんだろ?」
「ああ、さすがにもうその手は使えない。現役の生徒会長だとしてもだ。そこまで学校は寛容じゃないさ。」
「ンな寛容じゃねえ学校は、よく盗聴器を設置することを許可したもんだ。」
「ウォーターゲート事件に比べたら可愛いもんさ。」
「ははっ、違えねえ。」
2人して笑っているが、私には何のことやらわからない。
ただ、一つ、わかったのはこの2人、意外と仲が良いという事だ。
そして、この2人が共犯で私を貶める可能性は充分に有り得る。
だから、私はこの2人を常に疑っていないといけない。見張っていないといけない。
2人の何気ない会話のワードにも神経を張り巡らせなければならない。
そうじゃないと、私一人がバカをみる。