劇団「自作自演」





時の流れが遅く感じる。



時計はなく、スマホで時間を確認してみると、驚いたことにもう19:00を回っていた。



湯呑みのお茶はまだ半分も減っていないにも関わらず、私は敦くんの部屋に来てからもう2時間も経っていたのだ。



それなのに、特に会話らしい会話はなく、こうして向かい合ってお茶を呑んでいるだけ。



そして、そんな敦くんの家に私は今夜、泊まることになる。



なぜ敦くんはそんなことを勧めてきたのか、なぜ私はそれに応じてしまったのか。



それは、きっと一夜を使って語らなければならないことがあるからだと思う。それも重要で、2人っきりじゃないとダメなこと。



劇団「自作自演」のことについてだろう。




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