劇団「自作自演」





敦くんが急に口を開いた。



「香澄さん。アンタのいいところは、行動の一つ一つにクエスチョンマークを付けるところだ。疑問。疑い深く、慎重なのはこういう形の社交の場では大事になってくる。」



「それは、もちろん褒めてくれてるんだよね?」



「エクセレント!」敦くんは、この部屋の空気に似つかわしくないほど、高いテンションで言った。



「素晴らしいよ。今まさにアンタの良さが出てた。オレの言葉をアンタは今まさに疑った。それが大事なんだ。なかなか出来ることじゃねえ。」



「はあ……。」



「だから、アンタはもうとっくに持っている。大きなクエスチョンマークをな。」



私は軽く頷いた。



「どうして私を泊めたがったの?」




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